読んだ本、読んだ漫画、観た映画などの、ごく個人的な感想を綴るブログです。


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クワイエットルームにようこそ 特別版 (初回限定生産2枚組) [DVD]クワイエットルームにようこそ 特別版 (初回限定生産2枚組) [DVD]
(2008/03/19)
りょう、内田有紀 他

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感想:★★★★★

泣きたい時に観る映画。
今まで何度観たかわからない。

男の人にこの映画の良さ理解出来るのかなぁとか思うんだけど、原作も監督も松尾スズキというオッサンなんだからほんとにびっくりしちゃう。
恐るべし松尾スズキ。

「その時、突然思った。子供だ。てっちゃんと子供さえ作れば、この暗闇から抜け出せるんじゃないか。何故だか私は、そう確信した。」


これ、オッサンになんでこんな気持ちがわかるのって腹が立つくらいに、明日香みたいな星の下に生まれて来た女の、女心の的を射たセリフ。
私もこういうこと、考えてたことがある。

「子供さえ作れば、この暗闇から抜け出せるんじゃないか。」
「幸せになれるんじゃないか」みたいな、幻想。

なんか、精神病の観点からこの映画のこと評価する人いるみたいだけど、これってそういう観点から観る映画じゃない気がする。まぁ、精神病院が舞台だからそういう人たちがホイホイされて「ちがーう!」ってなるのは仕方ないとは思うのですが。
もちろん人によって見方なんて違うから感想なんて自由でいいんだけど、そういう感想にこそ「ちがーう!」と言いたくなっちゃう。

これは、ODや精神病に重点を充てて描きたかったんじゃなくって、あくまで一人の女の生き様についての物語なんじゃないかなと思う。

主人公の明日香に共感出来る人と出来ない人がいるかもしれない。明日香を病気だと思う人もいるのかも知れない。実際に精神病院で拘束されるから病気なんだろうけど、でも私は全然病気だなんて思わない。ギリギリのラインで普段は保ってるけど、ふとした瞬間に明日香まで堕落するものなんじゃないかな、女って。
だから、ただの堕落であって、全然病気だなんて思えない。とにかく明日香の気持ちが、痛いほど苦しいほど、私はわかる。

必死に生きてるつもりなんだけど、色んなもの失っていくんだよね。こんなんじゃだめだって思っても苦しいよね。うんうん。って頷きながら泣きながら観る映画。

てっちゃんからの手紙を勝手に読まれて「うるせぇ、ババァー!!」のシーンで私の涙腺はマックスで崩壊します。



2011/07/26(火) 0:05 追記

今日、原作を読みました。

クワイエットルームにようこそ (文春文庫)クワイエットルームにようこそ (文春文庫)
(2007/08)
松尾 スズキ

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感想:★★★☆☆

結論から言えば映画の方が好きだけど、原作を先に読んでいればこれもこれで好きだっただろうと思う。
ただ、映画があまりにも素晴らしいから、クワイエットルームの世界に浸りたい時は本ではなくて映画を観るだろうなっていう感覚です。

小説を読んで初めて気付いたこと。それは、映画の冒頭のシーン。
ゲロが混ざったみたいなビンを小脇に抱えて、仏壇の上に仁王立ちする明日香。
このシーンこそが、この映画の「繰り返し・ROOP」というのを表しているのだ、ということだ。

以下は小説の、全く同じ冒頭の仁王立ちシーンからの抜粋である。

普通うがいというものは、口腔および喉を清めるためにやることであって、そのためには清涼な水を用意したいものであって、とくにゲロを吐いた後などに積極的にやりたいことであって、その吐いたゲロを再度口に戻してうがいするなどという外道は、普通ありえないことで、ありえないからこそこうして、見世物になっているのかもしれない。ゲロした口をゲロでうがいする。
永遠の不毛。それが今宵のメインイベント。(p.9)


「永遠の不毛。それが今宵のメインイベント」とあるが、これこそがまさに、「今宵のメインイベント」・・・つまり「この本のメインテーマ」なのである。
ただ、この物語のテーマが「繰り返し・ROOP」することの悲しさとか切なさみたいなものだってことは、映画を観ていればわかるんだけど、それが、この冒頭の「ゲロでうがいしちゃってるよ」ってセリフに集約されているのだ、ということは、映画を観た時点では分からなかった。今日、小説を読んで初めて気付いたことだった。
だから、小説は始めから私を惹き付けました。冒頭が一番良かったですが。

映画では、「うるせぇ、ババァー!」のシーンが一番泣けるのだけど、小説では、鉄っちゃんと別れるシーンが一番泣けた。
鉄っちゃんが机に突っ伏すところ。

「長い罰ゲームだったね」
「・・・・・・・・・」
「お疲れ様でした」本当に本心からそう言った。
 鉄ちゃんは、ゆっくりゆっくり倒れこむように面会室のテーブルに額を乗せて、しゃくりあげるように泣いた。(p.135)



でも、映画はめちゃめちゃ良いのに小説はなんだか期待したほどではなかったのが正直なところだった。
多分映画が素晴らしすぎるからってのもあるけど、松尾スズキはやはりエンターテインメントの方が向いているのかも知れない。それでも充分に面白かったし他の本も読んでみたいけど。
第一男性が女性の気持ちをこんな風に綿密に描けるのってすごいことだと思うから。

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