読んだ本、読んだ漫画、観た映画などの、ごく個人的な感想を綴るブログです。


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久々の更新になってしまいました。

9話、すっごく良かったですね!あんまり素敵で、改めて、今まで見てきて良かったなぁと思いました。
陽毬がクリスタルの衣装になって、降下していくシーン、流れ出す音楽、とても素敵でした。
あの音楽はARBの「灰色の水曜日」という曲だそうです。歌詞を読んでいるだけで泣けます・・・

余談ですが、私の周りの30代、40代の普段アニメを見ない人たちが、とても熱心にピングドラムを見ています。
ARBの音楽やED曲などに惹かれてそのままハマっちゃうパターンらしく、20代の私としてはとても嬉しいです。

さて。
9話まで見て、「このアニメはどこに帰結するのか?」という疑問と好奇心をより一層駆り立てられることになったわけですが・・・
薄ぼんやりと「言いたいことはこういうことなのかな?」と想像は出来ても(もちろんそれが合っているかどうかはさておきですが)、話を追うごとにぽんぽんと飛び出す新しい鍵に、いったい我々が開けようとしている扉はいくつで、どんなものなのかと、愉悦を覚えながら薄暗い中俺達は道なりに走り続ける感じです。
その「先の見えない感じ、今後何が飛び出すかわからない感じ」に、何を書けばいいのかとしばらく更新は出来ませんでしたが、9話も素晴らしかったので、考察ではなく感想メインで記事を書いていきたいと思います。

9話までを見て一言で感想を述べよと言われたら、「相変わらずの幾原ワールド!」です。(相変わらずの、というのは、言わずもがな喜々とした気持ちが含まれています)
9話を見て、昔から幾原監督を好きな人は、懐かしくて嬉しい気持ちになった人が沢山いることではないでしょうか。


ウテナとの類似点

まずは分かりやすいところから言うと、こんなところ。
この配色と影絵がなつかしい!

▼第6話「Mでつながる私とあなた」より。
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これは両親がカッパとラッコに変わるシーンですが、ものが一瞬で形を変える、というのはウテナの頃からの得意技で、見た瞬間から、既視感と未視感が一気に去来しました。
カッパは海の生物じゃないことが気になったのですが・・・。どういうことなんでしょうか。
「銀河鉄道の夜」にも、ラッコが登場するんですよね。私は友人に言われるまで忘れていたことなのですが。

「ジョバンニ、お父さんから、らっこの上着が来るよ」
(新潮文庫「新編 銀河鉄道の夜」p.166)


というセリフです。でも、これだけ。

▼更に、エレベーターのシーン。
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エレベーターが地下へ降りて行く・・・というのは、「少女革命ウテナ」でも繰り返されてきた表現です。
「根室記念館」という場所がウテナたちの過ごす鳳学園内にあり、その「根室記念館」には悩みを抱える生徒たちが訪れるのですが、そのカウンセリングがエレベーターの中で行われます。

▼これは20話「若葉繁れる」より。ウテナの親友、若葉が、姫宮アンシーへの嫉妬を告白するシーンです。
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そのカウンセリングを行うのが、ピンク髪の「御影草時(みかげ そうじ)」。
眞悧と似ていますので、初めてピングドラムのOPを見ていた時から御影と印象がかぶる人は多かったはずです。

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エレベーターが下降して行き、生徒が悩みを告白していくのですが、御影が「深く・・・もっと深く・・・」と囁くことにより、よりエレベーターは下降しその生徒たちの心の奥深くの憎しみや葛藤を打ち明けるよう促していきます。
つまりウテナにおいてエレベーターは、深層心理へ潜っていく手段であり、エレベーターが下降することによって、そこがその人間の心の奥深い場所に到達していたことを示唆していたわけです。

ウテナでは、地下に着くと、「分かりました。あなたは世界を革命するしかないでしょう」と御影に告げられて、相談者はウテナと決闘する・・・という流れになります。

今回のピングドラムでも、「エレベーターは深層心理へ潜っていく手段であり、エレベーターが下降することによって、そこがその人間の心の奥深い場所に到達していたことを示唆している」という部分においては、同じことが言えるかと思います。
陽毬が辿り着いたあの図書館。
本当にそんな図書館が存在していたかどうかということは問題ではなくてその場所が陽毬の心の奥深い場所であることを示唆している、ということが重要だということですね。

眞悧が司書として陽毬を案内する時も「ではもっと奥へ。もっと深いところへ参りましょうか」と言っていて、まずこのセリフには、もっと心の奥深くへ、という意味が込められているということと、このセリフ自体が完全に御影とキャラかかぶっているという愉悦を含んだデジャブ感があります。ウテナファンとしてはにやにやしてしまいますね。

ちなみに、ウテナが決闘場へ行く時は、エレベーターを「昇って」いました。

1995年3月20日

最初はあんまり考えないようにしていたことですが、「1995年3月20日」というのは紛れもなくメッセージが込められているようですね。

▼返却日と本日の日付
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図書館での返却日が「3月20日(月)」になっていますが、地下鉄サリン事件も月曜日でした。
本日の日付は「10月15日(土)」になっていますが、2011年の10月15日も土曜日です。

陽毬が村上春樹の「スプートニクの恋人」を返却していました。
スプートニクの恋人は、女性同士の同性愛的恋愛小説というか、ノーマルな恋愛小説というか・・・
また、機会があれば書きましょう。
更に、村上春樹の本棚が映ります。(正確には「村 春樹」になっていますが、作品名は村上春樹の作品と同一です。)
ツイッターを見ていて、どなたかが「アンダーグラウンド」だけ「村上春樹」になっている、と指摘していました。

▼確認してみたら、確かに「アンダーグラウンド」だけ「村上春樹」表記になっています。
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「アンダーグラウンド」は、1995年3月20日におきた、「地下鉄サリン事件」の本です。
村上春樹が、1996年から、サリン事件の被害者を編集部のスタッフと力を合わせて集め、62名にインタビューをして、事実をまとめた本です。見た目だけでいえばとても分厚い本ですが、口語がほとんどなのですんなりと読めます。
被害者の実体験を綴った、とても悲しい本です。

さて、そこで監督の発言に注目してみたいと思います。
幾原監督は、「輪るピングドラム 試運転マニュアル 公式スターティングガイド」で、このように仰っています。

「サブ的なテーマとしてあるのが、自分がなぜこの作品を作ろうと思ったかということですよね。ちょっとだけ言うと、自分の世代とこの作品の主人公たちのような十代半ばの子供たちとのあいだには断絶があると感じているんです。それがなにかを明らかにした上で、お互いをつなぐ希望になるような作品にしたいと思っています。最終的にうまくいくかはわかりませんが、自分がこの作品を作る理由はまさにそこにあります。勘がいい人は第1話を見て気付くと思うんですよ。主人公達の家族構成や作品の舞台、そのほかのさまざまなデティールを見たときに『あれ?』って。そこから見えてくるものが、先ほど言った自分と十代の子をつなぐものだったりするんですけれど。そういった部分もちょっと気にしてもらえると、また違った楽しみ方ができるのではないでしょうか。」


この監督の発言は、1話を見ただけで、それが分かり得るということの裏付けにもなっています。
(私は5話目まで全く思いもよりませんでしたが・・・。)
それとは「自分の世代とこの作品の主人公たちのような十代半ばの子供たちとのあいだの断絶が何か」。ではその断絶とは何なのか?幾原監督はその断絶がサリン事件だと言いたいんでしょうか・・・
いや、断絶がサリン事件そのものである、ということでは無く、断絶の象徴の一部である、とはいえるかも知れません。

1話を見ただけで分かることを今思いつく限りでまとめると、

・3人兄妹には両親が不在である
・荻窪に住んでいる
・丸の内線を使う
・OPの95という数字

これだけの情報で、サリン事件を示唆していると分かる人がいたなら凄い気もしますが・・・

私の周りで荻窪に永く住んでいた人が、ピンドラは絶対にオウムとかサリン事件的な意味で怪しい、荻窪なんてモロにオウムなんだ!とか、冠葉がお金受け取ったのも霞ヶ関だしとか騒いでいて、私はふーんって感じで聞いていたのだけれど、
上記の幾原監督のインタビューを読み直したり、ピングドラムを見返したりしているうちに、もしかしたら本当にそうかも知れないと5話目ぐらいから思い始め・・・
9話の「3月20日(月)」と「アンダーグラウンド/村上春樹」でそれが確信に変わりました。

更に、苹果の誕生日は小説を読む限り1995年3月20日で間違いなさそうですが、ぴったりこの日にしたのは何故なのか、という疑問もわきます。

とかとか、あんまり書いたらヤバそうな感じがして更新が停滞してしまったのですが、ここまであからさまに出されたら書いてもいい気がして久々に更新できたのですけれど・・・
ピングドラム終着点はどうなるのでしょうか・・・

私は、あくまで暗い部分に帰結するとは思っていなくて、運命を変えようとする前向きなメッセージを汲み取れたらいいなぁなんて思っているのですが。

ちなみにですが、エレベーターや図書館のイメージが、同じく村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」とイメージがかぶります。
「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」でも不思議な世界の図書館が登場して、主人公が「夢読み」という作業をするんですよね。
小説版ピングドラムの9話を読んで真っ先に、「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」が思い浮かびました。
幾原監督はけっこう文学が好きみたいなので、村上春樹にも影響を受けているかも知れませんね。
幾原監督の上品で優男なイメージと、村上ワールドの気障な男達はなかなか印象がかぶるところはあります。


カエル

やたらカエルが登場しますね。なんででしょう。

第4話「舞い落ちる姫君」では、苹果ちゃんがカエルに。
このときは、服が黄緑だし特に深くは考えてなかったのですが・・・
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▼第6話「Mでつながる私とあなた」では「かえる公園」
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▼7話「タマホマレする女」はまさにカエルづくし。
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9話「氷の世界」では、陽毬ちゃんが「カエルくん東京を救う」を探しています。
でも、全く以ってカエルがなんなのか分かりません。


そのほかの疑問

・陽毬が図書館に迷い込んだ時点で、ペンギン3号の背中に既に「3」と書いてあるのはどうしてなのか?
(ペンギンが解凍されたあとに2話で冠葉が書いたはずなのに・・・)
・眞悧が渡した林檎の意味
・何故陽毬は不登校になったのか
・至る所にあるペンギンマークの意味

などなど・・・

苹果が何話かで、「きっと運命は丸い輪っかの形をしている」みたいなことを言っていましたね。
だから「回るピングドラム」でも「廻るピングドラム」でもなく、「輪るピングドラム」なんでしょうね。

思ったことを早急にざっくりまとめただけですが、以上まで。
また次回以降で思ったことがあれば追記或いは更新します。

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  1. 2011/09/13(Tue) 20:38:23
  2. #
  3. [ 編集]
Re: タイトルなし
コメントありがとうございますm(_ _)m
「コメントをくれた人にだけレスを表示する」ということが物理的に不可能ですので、以下、白字でレスをさせて頂きますね。反転するか、以下をどこかにコピペして読んで下さいませ。
お手数おかけして申し訳ございません。

▼ここからレス

いつも励みになる一言を頂いたり、Twitterで絡んで下さったり、心からお礼申し上げます!
本当にありがとうございます。

9話の感想について、私よりもずっとたくさんのことを考えていらっしゃって、とっても参考になりました!
うわぁ、そうかも知れないという高揚感で、ついついTwitterに、「そうかも知れませんね!」と書いてしまいそうな勢いでした。
そうかも知れないというのは、教えて頂いた「アダムとイヴの林檎を食べたから追放されたのかも知れない」という下りです。
確かに仰る通りかも知れませんね…!
私は、ハズレるのが怖いのでもう色々考察しまいと誓い、あからさまなメッセージだけをキャッチし、それ以外は深く考えないようにしていたので、「林檎を食べよう」というシーンについても思考停止状態でした。思考回転させていたとしても私に何かが考えられたとは思わないのですが!笑
あのシーン、あのセリフ、そして登校拒否、本当に追放されてしまったのかも知れませんねぇ…
さすが、鋭いですね!私は全く気付きませんでした!笑 流石です。

9話は本当にオマージュのメッセージが多いですよね。監督自らの手法を踏襲していたり、私なんかよりも気付く人は沢山気付いているんでしょうね。
ウテナは、仰る通り、似通った手法や似通ったメッセージはあっても、ピングドラムとは大分気色が違います。
どちらも人間のカルマというのは本質的にテーマとしてありますが、ウテナの方がより女性的で身近でドロドロしていて、ピングドラムの方がもっと俯瞰にカルマを突き詰めた感じになっている気がします。

文章表現が分かりにくいだなんて、とんでもないです!
私の方が、分かりづらくて申し訳ないと思っているのです。
すっごく勉強になるコメントを頂き、とてもはっとさせられました。
こういうのってやはり、自分だけで考えていても駄目ですね。こうやって教えて頂いたり意見交換して初めて気付くことがたくさんあるのですね!
おかげさまでとっても楽しいです。

私的な長文感想をこのように読んで頂き本当にありがとうございますm(_ _)m
とても励みになっています。
また、何かありましたら是非教えて頂きたいと思っていますのでお聞かせ下さいね!
本当にありがとうございました!
教えて頂いたことを気にしながら、今週放送分以降を見るのが楽しみで仕方ありません!
  1. 2011/09/15(Thu) 00:34:09
  2. URL
  3. ミカ #-
  4. [ 編集]
カエル=ケロヨンクラブ?
ピングドラムのアニメは見ていないのですが、
オウム真理教が法律上解散した後に、ケロヨンクラブという団体を名乗ったグループがありました。
麻原の教義の原点に帰る(カエル)という考え方を示すために、
ケロヨンというカエルのグッズを携帯していたそうです。

もしかすると、カエルが登場するのはこれと関係があるかもしれませんね。
  1. 2011/10/08(Sat) 01:51:39
  2. URL
  3. 緑 #-
  4. [ 編集]
コメントありがとうございます
はじめまして、コメントありがとうございます!

コメントを拝読して、大変驚きました。そういった団体が存在していたのですね。
貴重な情報をありがとうございます。

「原点にかえる」ということでケロヨンクラブ、なんですねぇ…
存じ上げませんでしたが、 こんなにカエルが重なるなんて…
カエルが多々登場する理由は、恐らく沢山の理由があると想像しています。
例えば「よみがえる」などの言葉遊びも含まれているのではないかと思うのですが、そういった団体が存在したという背景は監督が知っていた可能性もあるでしょうし、物語のキーパーソンがカエルである理由たりえると感じました。

これは、私一人で考えていても気付かなかったことだと思いますので、教えて頂き心から感謝申し上げます。
この不思議な一致に少しギョッとしてしまいました。

とても貴重な情報を本当にありがとうございました。
また何か気付いたことがあれば、是非ご教授頂ければと思います。
そして、今後ピングドラムを見る上での貴重な情報として参考にさせて頂きますね。
宜しければ緑さんもピングドラムご覧になってみてください。笑

それでは、本当にありがとうございましたm(_ _)m
  1. 2011/10/08(Sat) 22:39:27
  2. URL
  3. ミカ(管理人) #-
  4. [ 編集]
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