読んだ本、読んだ漫画、観た映画などの、ごく個人的な感想を綴るブログです。


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2話の放送が終わりました。
私は、我慢出来ず小説を途中まで読んでしまいましたが、やはり楽しみはとっておきたいという感想を持ち、読むのは中断しました。
しかし、「その時登場人物がどういった気持ちだったのか」など、小説でしか分からないこともあるので、作品を理解する上では小説を読むことは必須なのではないかという印象です。私は、アニメを観てから小説を読むことに決めました。

早速第2話「危険な生存戦略」について。
考察というか、またしても個人的感想です。


荻野目苹果の登場

運命を信じ、未来日記の通りに物事を進めようとしていますが、それはいずれ、打ち砕かれるでしょう。
その時、「りんご」はどうするのか。
りんごは、「掌に乗る宇宙」であり、「この世界(生きている人間の世界)とあっちの世界(愛による死を自ら選択した死者の乗る銀河鉄道の世界)をつなぐもの」

2話で気になった点は、苹果ちゃんの手帳に竜宮城が書いてあること。
カバンに海グッズを付けていましたし、彼女の部屋はたくさんの海グッズで囲まれています。
海、地下鉄、星、天の川…?(銀河鉄道の夜に登場)、などなど
このあたりの単語はなんだか気にかかるキーワードです。
それから、桃。何か意味があるのでしょうか…。
WS000000.jpg

「宇宙」と「海」のイメージがどことなくリンクしている気がします。
そもそも宮沢賢治自体が、宇宙、空と海のイメージをリンクさせていましたし、「ひとではみんな星さ。」なんて一文も、『双子の星』という短編の中にあります。
『銀河鉄道の夜』も川や海のイメージで綴られています。「プリオシン海岸」というものも登場します。


挿入歌の歌詞

挿入歌「ROCK OVER JAPAN」。
昔の曲のカヴァーだそうですが、まるで、このアニメのために作られたのか?と思うような、ぴたりとはまっている歌詞です。
重要な部分だけ抜き出してみました。

「俺達は道なりに走り続けてきた」=俺達は運命に逆らわず生きてきた

「標識だらけの道をとばして続けていく」=ピクトグラムだらけの道をとばして続けていく
(標識だらけ、ピクトグラムだらけとはつまり、他人や、警告、象徴だらけの道をとばして続けていく)

「もう誰も 明日さえも 見えなくなってる」
「みんな、みんな塗りつぶせ」
「心に不満を抱いて ため息も飲み込んで」
「ただこのままだらだらと落ちてゆくつもりかい」
「夢を夢を抱き寄せ踊りたい」
「みんな、みんな塗りつぶせ」


この曲は、やはり「何者にもなれない運命を変えてみせる・変えよう」というメッセージを込めて幾原監督が挿入歌にしたに他ならないと私は思っています。

「俺達は道なりに走り続けてきた」=俺達は運命に逆らわず生きてきた
という部分は、現在の冠葉、晶馬、陽毬です。

丸の内線で荻窪から池袋まで大回りして行っていることに関しても、同じことを象徴しているように感じます。

のほほんダイアリー「丸の内線から見た輪るピングドラムの考察」
http://blog.livedoor.jp/nohohonw/archives/1792177.html

上記ブログで、「丸の内線は運命に流されることの象徴のように思えました。」と筆者の方もお書きになっていますが、「ROCK OVER JAPAN」の歌詞のこの部分も、運命に流されることの象徴のように思えました。
こちらもリンクしているのではないでしょうか。
実際には、小説では、丸の内線で荻窪から池袋まで行く理由は「想い出に浸りたい」という理由付けはされていますが、同じ中に、地下鉄が暗喩的意味を持つようなことを匂わせるような書き方をされている、と感じた部分がありました。
(しかしどこだったか失念・・・今、小説をパラパラしてみましたが分からず。再読して分かったらまた書くかも知れません。)


余談

小説を読んで気付いたこと。
このシーンは、晶馬の胸から何かを出しているのだと思ってたのですが
WS000004_20110710194342.gif
これは冠葉だということ。
そりゃそうですよね、晶馬は下に落下してしまうんですから。
しかし、晶馬が下に落下して、冠葉の胸から何かを取り出す、・・・
これは逆ではイケナイのでしょうか。何か理由があるのでしょうか。

それはやっぱり、「冠葉がカンパネルラであり、つまりは死人である」と考えれば分かりやすいというか、合点がいく気がします。
もちろんまだいいきることは出来ませんが、晶馬が下に落下するのも、下界に戻るみたいな雰囲気があります。
だって、「ピングドラムを探せ」って言われているのは晶馬と冠葉の二人なのに、何故晶馬だけ下に降りるんでしょう?


今回は笑いながら見られる可愛らしい回でした。
BGMの使い方やこのギャグテイストは、1話ともまた違った意味で幾原監督的で懐かしい感じでした。

今回の作品でのメッセージとは何でしょう。
⇒前回の記事にも書きましたが、私はウテナとの共通項を感じずにはいられないところがあります。

人が好きなもの、憎んでいるもの、カタルシスを感じるものというのは、
成人後であれば、本質的には5年経とうが10年経とうが、大きくは変わらない気がします。
もちろん、ウテナなど過去の作品と、輪るピングドラムは別物ですから、比較することは無意味なことかも知れませんし、
実際に意味を見出そうとしているわけではなく、共通項があったら面白いなぁぐらいの感覚で観ているに過ぎませんが、

人の本質的な部分からしか、魂のメッセージは発することが出来ないと思いますから、監督の本質を理解しようとすることは、作品を理解する上で重要と私は考えます。
そのために、前例のウテナから拾っていくしかなかったりする部分がある、ってことですね。

うう、眠いので頭が回らず。
追記するかも知れませんが一旦ここまでです。



追記

読み返してびっくり、書きたかったことを書き切れていません。


多蕗桂樹とは鳥捕りなのか?

まず、多蕗桂樹先生。
この物語が「銀河鉄道の夜」のオマージュだとしたら、バードウォッチングが趣味の多蕗桂樹先生には、「銀河鉄道の夜」で言うところの、「鳥捕り」という役割が与えられていると考えるのが自然かも知れません。
先生は鳥を捕っているわけではありませんが…

・「銀河鉄道の夜」での「鳥捕り」は少々残酷な人物として描かれている。
・鶴や雁、さぎ、白鳥などを捕まえて、押し葉みたいにペタンコにして売っている。
・それらは、食べると甘くお菓子のようである。
・ジョバンニは、そんな鳥捕りに同情心を抱く。
・その瞬間消えてしまう。

ジョバンニはなんだかわけもわからずににわかにとなりの鳥捕りが気の毒でたまらなくなりました。鷺をつかまえてせいせいしたとよろこんだり、白いきれでそれをくるくる包んだり、ひとの切符をびっくりしたように横目で見てあわててほめだしたり、そんなことを一一考えていると、もうその見ず知らずの鳥捕りのために、ジョバンニの持っているものでも食べるものでもなんでもやってしまいたい、もうこの人のほんとうの幸になるなら自分があの光る天の川の河原に立って百年つづけて立って鳥をとってやってもいいというような気がして、どうしてももう黙っていられなくなりました。ほんとうにあなたのほしいものは一体何ですか、と訊こうとして、それではあんまり出し抜けだから、どうしようかと考えて振り返って見ましたら、そこにはもうあの鳥捕りが居ませんでした。網棚の上には白い荷物も見えなかったのです。また窓の外で足をふんばってそらを見上げて鷺を捕る支度をしているのかと思って、急いでそっちを見ましたが、外はいちめんのうつくしい砂子と白いすすきの波ばかり、あの鳥捕りの広いせなかも尖った帽子も見えませんでした。
「あの人どこへ行ったろう。」カムパネルラもぼんやりそう云っていました。
「どこへ行ったろう。一体どこでまたあうのだろう。僕はどうしても少しあの人に物を言わなかったろう。」
「ああ、僕もそう思っているよ。」
「僕はあの人が邪魔なような気がしたんだ。だから僕は大へんつらい。」ジョバンニはこんな変てこな気もちは、ほんとうにはじめてだし、こんなこと今まで云ったこともないと思いました。
(新潮文庫「新編 銀河鉄道の夜」p.192-193)


上の内容を要約すれば、ジョバンニから見て鳥捕りは、本当の幸せを捕んでいない上、どこまでも行くことのできない、哀れな人物である、ということです。
「ほんとうにあなたのほしいものは一体何ですか」と思ったときには、鳥捕りは消えていました。
ジョバンニたちが「苹果」を貰うのも、鳥捕りが居なくなってからです。
つまり、鳥捕りは「愛による死を自ら選択した死者」ではないわけです。「苹果」は受取りません
故に、荻野目苹果と多蕗桂樹が結ばれることも無さそうな理由は、ここにあるのかも知れません。

苹果は多蕗桂樹との運命は決められていると信じていますが、この二人の運命は本当は銀河鉄道のオマージュであることによって決められていますから、なんだかそのあたりはアイロニーです。

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