読んだ本、読んだ漫画、観た映画などの、ごく個人的な感想を綴るブログです。


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文学界 2011年 06月号 [雑誌]文学界 2011年 06月号 [雑誌]
(2011/05/07)
不明

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水原涼「甘露」

比較しても仕方ないのだけど、私は「癌だましい」よりこっちの方が断然好きだ。
青年なりたての、沈没する家族への苦悩みたいなものが出てて、
その痛々しさに、受賞コメントの「愛すべき家族へ捧げたい」って言葉で更に追い討ちをかけている感じがする。
真っ当な評価ではないかも知れない。私のこの気持にはおそらく、筆者への同情心が内包されているからだ。

父と姉のセックスシーンの描写がすごく上手い。21歳でこんな風に描ける人ってなかなか居ないと思う。
あと、兄からのメールのシーンで私の筆者への同情心がマックスになってしまった。
こんな家族に囲まれてりゃ、そりゃ読書に逃げます。結局家族の誰にも愛を感じられない主人公に同情心が沸き立つ。
こういう、思春期的、あるいは青年期的で、不穏で、繊細な痛みを感じる作品は好きだ。



山内令南「癌だましい」

吉田修一「人は無敵になれるのか」という選評に、全面的に同意だ。
私は、もっともっと弱い人間の方が共感を感じる。
だから、その「食べる」ことだけへの執着に、ちょっと引いてしまうというか、圧倒されて、ついていけなかった。

でも、時間が逆戻りする故に、物語の一番最後に、癌と診断された直後の話となるあたりは切なさはあった。
「食」以外無価値な人間が食べられなくなることを考えもしない、というのが切なかった。



2011/06/10追記

山内令南さんがお亡くなりになられていたことを、遅ればせながら本日知りました。
この記事を下げようかとも思ったのですが、残しておくことに致しました。

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