読んだ本、読んだ漫画、観た映画などの、ごく個人的な感想を綴るブログです。


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青森地図

この日は5月4日。
寺山修司没後28年の命日でした。

三沢市にある『寺山修司記念館』で、『修司忌』というイベントが行われる為、
この青森旅行のメインイベントの一つと言っても過言ではありません。
というわけで、上の地図で②の弘前から、朝早くに③の場所まで「青い森鉄道」で移動しました!

▼寺山修司記念館パンフレット
パンフ表紙 パンフ2 パンフ3

▼入館チケット
入館チケット

▼修司忌のフェスティバルパンフレット
フェスティバル フェスティバル2 フェスティバル3 フェスティバル4

▼特別展:森山大道「あゝ荒野」展ポスター
ポスター表 ポスター裏

寺山修司に憧れ続けて約10年、
ずっとずっと行きたいと思っていたこの「寺山修司記念館」に、ようやく足を運ぶことが出来て本当に嬉しかったです。

▼寺山修司記念館外観
IMG_0514.jpg

左側にはピエロ

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右側のコンクリートの建物の壁には、寺山の写真やポスター、俳句や本などの装飾が埋め込んであります。
かっこいい建物です。

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ガラスの扉は指差しマーク。

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赤い内側の扉は天井桟敷のマークで、髭の所がドアノブになっています。

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記念館の裏側にも扉があり、そちらから外に出ると、裏側は木々が生い茂る林道になっていて、
その林道を5分ほど登っていくと、「寺山修司文学碑」があります。
そこで、11時から青森の神楽の公演があるということで、そちらへ向かいました。

▼林道の途中には、こんなものが無数に立っています。
IMG_0472.jpg

寺山の短歌
ふるさとの訛りなくせし友といてモカ珈琲はかくまでにがし

はぁ切ない。この、寺山の短歌の持つ威力。
20本以上林道の中に立っていますが、全て違う短歌が載っています。

▼寺山修司文学碑
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ものすごい寺山ヲタと思われるような男性もいらっしゃって、とても熱心に写真を撮っておられました。
もう少しで話しかけそうになった。(この全く人見知りしない性格少しは直した方がいいかも知れない。笑)

▼文学碑のあたりの景色
IMG_0474.jpg

お天気は悪かったのですが、この時はまだ雨が降っていませんでした。
晴の日だったならとても気持ちよい景色だっただろうと思います。湖が広がっています。

▼岡三沢神楽保存会のみなさんの神楽の公演。
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青森県無形民俗文化財に指定されていて、歴史は850年以上とのこと。

さて、この後、写真家森山大道さんと副館長の笹目さんのトークショーがありました。
これがとっても勉強になりました。

森山大道さんは、寺山の小説「あゝ、荒野」1966年初版の表紙の写真を撮っていて、
その後永い月日を経て2005年にパルコ出版の企画で、森山大道さんが40年前に撮った新宿の写真と、寺山の小説を合体させた単行本が発売されている。
昔から付き合いのあった二人なので、よく寺山の企画に森山大道さんは登場します。

写真は掲載できませんが、森山大道さんの語る寺山について。
この日語ってくれたことをかいつまんで書き記します。

森山大道と寺山修司の出会い

森山:『現代の目』という雑誌の編集者をやっていたのが僕の友達で、その彼は寺山の『あゝ、荒野』と関わりがあって、「今から『あゝ、荒野』の打ち合わせがあるから来ないか。寺山を紹介する」って言われて、新宿のコマ劇の横にあった喫茶店、そこが作家とかが集まる喫茶店で今はもう無いんだけど、そこについて行った時に初めて寺山に会いました。

笹目:その時の寺山の印象は?

森山:ほんとにカッコ良かったんだよね!ホントにカッコ良かったのよね。僕の友達に「よう」って片手を上げて、そのあとお店の前のガードレールのところに座って。その様がかっこよかった。寺山さんはほんとにかっこよくてね、ある日は東映の俳優さんみたいで、ある日は日活の俳優さんみたいだった。

『あゝ、荒野』について

森山:『あゝ、荒野』の表紙の写真を撮ってくれって言われた時はとても嬉しかった。(『あゝ、荒野』の表紙は寺山自身がメインに立っているのですが)あれの寺山さんは当然新宿新次になりきってます。サングラスを付けているのがバリカン。この写真を撮る時に、寺山さんが、俳優じゃなくて実際に新宿にいる人たちを集めた方が面白いっていうんで、横に立っているのは、実際に新宿にいたゲイバーのママとかです。

笹目:後から、2005年になってから合作されたものなのに、まるで最初から想定されていたかのように、森山さんの写真がぴったりで初めみた時驚きました。

森山:それは、ちょうど寺山さんが『あゝ、荒野』を書いている時に、僕も丁度新宿の写真を撮っていて。それが、後になってジョイント出来ることになってよかったです。

それ以外での関わり

森山:寺山さんと撮影で静岡に行った時にね、ずーっと車の中で演歌を歌ってるんです。けっこうかっこいいんだよね。それでドライブインとか行くとゲームセンターとかがあって、絶対そういうところで寺山さんはゲームをやるんだけど、博打の才能があるんだよね。その時は子供みたいに嬉しそうだった。

森山:他にも色々誘って頂いたんだけど、他の仕事と重なってなかなか全部は引き受けられなかった。勿体無かったです。自分の出した写真集に、寺山さんに書き下ろしの詩を書いてもらって、それはとっても嬉しかったね。

寺山から与えられたもの

森山:寺山さんはストリッパーだったり新宿のアンダーグラウンドな世界を描いていて、僕は都会的なものが撮りたかった時期に、いきなり寺山さんからそういう世界に引っ張り込まれた。(笑)でもそれによって、僕の潜在的なそういったアンダーグラウンドな匂いのするものへの興味を引き出してくれた。最初は嫌だったんですよ!場所で言えば新宿より自由が丘みたいなところで写真が撮りたいっていうのがあって、でもいざ連れ込まれると、僕の身体に元々そういうのはあるわけで、面白かった。今は結局そっちの方が好きだから、それは寺山さんに引き出されたもの。今は新宿が一番好きで毎日のように徘徊してる。

笹目:森山さんからはよく「匂い」というキーワードが出てくるのが気になる

森山:もし寺山さんと僕に共通項があるとしたらそれは「匂い」に対する嗅覚だと思う。

質疑応答

客:森山大道さんの写真展で「ハワイ」という作品を見て胸を打たれた。どういう気持ちであれを撮ったか。


森山:ハワイはやっぱり観光地で、勝手に胡散臭いものを撮ろうとイメージして行ったのに、全然違ってリゾート地で、僕の嗅覚はあまり働かなかった。やっぱり中国とかの方が惹かれるね。

客:寺山の作品で何に惹かれるか。

森山:やっぱり短歌だね。ものすごい天才。それから彼っていうのは、すごく気の利いたことをポロッと言ってくれる人で、例えば僕に「森山さんが撮ればゴミ箱もかっこよくなる」とか言ってくれて嬉しかった。あと、僕の写真展に入って写真を見るなり「うん、ガソリンの匂いがするね」と言ってくれて、忘れられないぐらい嬉しい言葉だった。いつも僕に会うと褒めてくれるんだよ。僕はあの人に怒られたことが一度もなくて。あと、寺山さんも写真を撮ってたけど、僕の尊敬する師匠のところに弟子入りしてね、3日目にはもう勝手に自分で写真を撮ってて、師匠が「寺山修司は俺の元を3日で卒業した」って言ってるんだよ(笑)でもね、寺山さん写真も上手いんだよね。横に誰か居たのかもしんないんだけど、演劇性のあるものを写真に収めると、ともすればチープになりがちなんだけど、寺山さんは成功してるんだよ。彼はすごく多面的な人だったから、僕が見ていたのもほんの一部かも知れない。でも彼は、まだ新人の人たちを見つけ出すのがすごく上手だった。篠山紀信とかアラーキーとかね。

客:何故モノクロで写真を撮るのか。

森山:カラーだとぺらぺらに感じちゃう。自分でカラーの写真集も出してるけど、ぺらぺらだと思うね。

(私も質問させて頂きました↓)

私:もし寺山が生きていたとして仮に一緒に何かをやるとしたら、何をしたいか。


森山:もし、生きてたら75歳かぁなんて、僕も考えていました。彼は変わらないと思いますね。オヤジっぽいところが無かったので、あのままだと思います。一緒にやるとしたらやっぱり、新宿をテーマに作品を作りたいですね。二丁目とか行って。彼はお酒を飲まないんだけど、二丁目のゲイバーによく一緒に遊びに行って、僕の胸とか冗談で触ってくるんだよ(笑)

客:自分も写真を撮るのだが、自分が毎回同じような写真を撮っていたり、なんでこんなものを撮ったんだろうと失望する時がある。森山さんにはそういう経験はないか。

森山:基本的に自分の作品を自分が愛さずに誰が愛すのだと思っているので、そういう経験は無い。同じような写真というのはその人が結局好きなもので、傾向なのだから、それを突き詰めるのは悪いことではなく、寧ろいいことだと思う。


こういった感じで、トークショーは終了。
知らなかったエピソードや、素顔の寺山を知れて、とても満足したトークショーでした。
森山さんと会話できて感激でした!

ちなみに、上には記しませんでしたが、『あゝ、荒野』の特別装丁版が出ていて、もう完売しているのですが、
なんと1部20万円なんだとか!(これは知りませんでした。50部だけ製作されたそうです。)
それが、寺山修司記念館に置いてあったのですが、これです。

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『あゝ、荒野』は二人のボクサーの話なので、赤い方が森山さんの写真、青い方が寺山の小説の本なのだそうですが、
これ、まじでボクサーのグローブの皮で出来ているらしく、そのせいでこんなにお高いんだそうです。
ボクサーのグローブは命みたいなものだから、簡単に皮について情報提供してしまうと、勝敗に関わってきてしまうから、なかなかそれを教えてくれるところがなくて、すごく時間をかけて、やっとタイからグローブの皮を取り寄せることが出来たのだとか・・・
銀色の外箱は鉄で出来ているんだけど、これもまた本がずり落ちないように職人技で丁寧に作られているそうです。
私もお金もちだったら欲しかった!

この後は屋外ステージで、渚ようこさんが歌謡曲を歌うショーがありました。
渚ようこさんのことは前々からクイックジャパンで取り上げられていたりとか、音源を聴いて存じ上げていたので、これも生で見ることが出来て嬉しかったです。美人で昭和的な美しい歌声でした。
ステージ途中、震度3ぐらいの地震がありましたが、寺山の作詞した曲をメインに7曲ほど歌って下さいました。
青森の舞踏家福士正一さんが途中乱入しました。めっちゃ面白かったです。

屋外ステージが終わった後、ゆっくり屋内の展示を見ました。

▼メインの展示ルーム
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寺山の撮った写真なども置いてあります。

入って早々に見ることが出来る映像『田中未知監督作品「質問」』。
これはかなり面白いので、以下に一部抜粋します。
※田中未知さんは元々寺山のファンで、最終的には寺山の秘書となり16年間寺山を支えた方です。

★田中未知監督作品「質問」より一部抜粋

質問:今までいくつの矢印を見たことがありますか?
寺山:自分の歩いただいたい足跡の数だけだけどね。

質問:冗談で死んだふりをしたことがありますか?

寺山:それはね、死んだふりをする時はいつでも真剣だった。

質問:目を瞑ったまま、何メートルぐらい真っ直ぐ歩けますか?
寺山:全然一歩も歩けない。だいたい目を開いていても1メートルも真っ直ぐに歩けないからね。あっちへ行ったりこっちへ行ったりしてるから。

質問:自分の名前に満足していますか?
寺山:それはね、呼ぶ人に聞いてもらわないとね。自分で自分の名前を呼んだことないから、他の人が呼びやすいかどうかっていうのは決めてくれればいいんで、変えろって言われたら変えてもいいけど。

質問:時間を保存する方法を知っていますか?

寺山:これは記憶もしなければ記録もしないことだと思います。

質問:同じ冗談で何人の人を笑わせることが出来ますか?

寺山:同じ冗談があるというのは信じられないね、相手が違うのに。

質問:今まで「はい」と「いいえ」とどちらを多く使用しましたか?
寺山:これは絶対に「いいえ」の方が多かったと思います。「いいえ」、「はい」っていうのは結局「いいえ」の部分だっていう気がするわけですね。「いいえ」が全体で、その中に「はい」が幾つか隠れていると、そういうことじゃないかという気がします。

質問:誰かと共通の記憶を持ちたいですか?
寺山:あんまり持ちたくないですね。だいたい記憶そのものをあんまり持ちたくないですね。

質問:行く道と来る道とどちらが好きですか?
寺山:好き嫌いを問わず、帰り道っていうのを通ったことは一度も無い。生まれてからずーっと行きっぱなしだという、そういう風に思っています。


▼線路のセットが。寺山文学に措いて「汽車」というのは重要なキーワードです。
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ポスター。どれもほんっとかっこよくてアヴァンギャルド!

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▼展示ルームの中央はドーム状になっていて、そこに寺山映画などに関わりのあるものが展示されています。
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▼↑上のドーム状の下に机が9台ぐらい並んでいて、その中に資料が仕舞われているという変わった展示方法です。
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わが家に火事があり、近所の家まで焼けてしまった。警察では漏電だといったが嘘だった。
ほんとはおれが机の引き出しにかくしておいた一匹の蛍が原因だったのだ。
(映画『田園に死す』より)


ここからヒントを得て、こういった展示になったそうだ。

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また、自販機のある休憩ルームみたいなところである映像がテレビで流されていたのですが、それは寺山の同級生達へのインタビュー映像でした。
小学生の頃寺山は引越しが多く転校してばかりだったので、引っ越して早々かくれんぼをしていじめられていたとか、喧嘩して泣かされていたとか、そんな切ない話が語られていました。
印象的だったのと、初めて知った話。

同級生:引っ越したばっかりで、彼はみんなの名前が分からないでしょ。でも彼がいつも探す方になっちゃって、見つけても名前が分からないからいつまで経っても探さなくちゃいけない。それを、よく墓地でやっていたんです。彼の映画で『田園に死す』ってあるでしょう。あの最初の墓地のかくれんぼのシーンは、そこから来ているんですよ。

この話は知らなかったから、なんだか居た堪れない気持ちになってしまいました。

寺山ってほんと、過去は全て虚構であるとか言ってるけど、めちゃくちゃ思い出とか過去の記憶に引きずられてる人だ・・・。

ずっとずっと来たかった寺山修司記念館。
やっと来れて、しかもこんな素敵なイベントを拝見できて、とっても嬉しかったし、勉強になりました。
そしてより、寺山へのリスペクトと想いが深まりました。
正直時間足りなかった。

私が、森山さんに質問した時、「東京から来ました」と言ったので、記念館に居た一般の奥様が話しかけて下さったんだけど、
8月にもイベントがあるから是非いらっしゃいと。
8月はねぶた祭りもあるし、ガチで行きたい!!
ほんと、じっくり見るには時間が足りませんでした。。。

森山さんのと渚さんのサイン会もあったのですが、リュック一つで旅行してまだ先が長かったから、
重い本を持ち歩くのに抵抗があって参加は断念しました。でも正直後悔してます・・・。今まで後悔なんかしたことないとか普段豪語していますが今回ばかりは正直後悔しました。悔しい!!

4日目は大間と恐山に行きました。続きます!!

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