読んだ本、読んだ漫画、観た映画などの、ごく個人的な感想を綴るブログです。


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14歳 (幻冬舎よしもと文庫)14歳 (幻冬舎よしもと文庫)
(2009/07)
千原ジュニア

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感想:★★★★★

千原ジュニアが、引きこもりだった頃から兄に誘われて芸人を目指すまでのことを綴った自叙伝。

特別千原ジュニアが好きなわけでは無かったのだけど、
私もあまり学校に行ってなくて高校も2ヶ月で中退したたちだったので、
私以外の人が学校へ行かない理由は何だったんだろうと気になって読んでみた。

読んでみたら涙が溢れる場面が沢山あった。
自分を重ねてしまうからなのか?
それとも私が元ひきこもりじゃなかったとしても、涙を零していたのだろうか。

以下、私の体験を交えながらの感想になってしまうことをお許しください。

私は、中学3年生は数えるほどしか学校へ行っていない。テストも受けない。
でも、その時私は自分のことを引きこもりだと思ってなかったし、今も引きこもりだったとは思っていない。
本書で千原ジュニアは、同じことを言っている。
テレビに映る引きこもりと自分は違うんだと。

学校に行ってたんじゃ時間がたりない。僕は今、僕がこの先進むべき道を慎重に選んでるんだ。


僕のしていることはお母さんが泣くようなことじゃない。
僕の取っている行動は昨日の夜のテレビに映っていたあいつらとは違うんだ。
だけどお母さんには昨日のテレビに映っていたあいつらと僕が同じようにしか見えないんだろう。


私も、ジュニアと全く同じで、中学受験をして、みんなとは違う制服を手に入れた。
お母さんは、それを泣いて喜んだ。
お父さんの職業もジュニアと同じで、お家の近くに父の会社があって、お昼ごはんは家に食べに帰って来る。
そして私も、ジュニアと一緒で、気持ちが抑え切れない時は絵を描いた。毎日毎日描いていた。
なんだか、ジュニアが他人のようには思えない気がした。
すぐに暴力に走るところは違うけれど、私がもし男だったらそうなっていた可能性はあるなと思う。

学校に行かない私をどうしたらいいか分からない母親は、今度は悲しみの涙を流していた。
学校の先生と泣きながら電話をしていて、私は部屋でじっとその泣き声を聞いていたけど、
"僕のしていることはお母さんが泣くようなことじゃない。"と、私も思っていた。
"僕の取っている行動は昨日の夜のテレビに映っていたあいつらとは違うんだ。
だけどお母さんには昨日のテレビに映っていたあいつらと僕が同じようにしか見えないんだろう。
"

引きこもっている部屋の中で、有意義なことなんてこれっぽっちもしていないのに、
「時間がもったいないから学校に行きたくない」と考えている。
私もそうだった。
実際に、「時間が勿体無いから学校やめる」と言って、中学からエスカレーターで上がった高校を2ヶ月で辞めた。
※今調べてみたら、ジュニアも高校は2ヶ月で中退したそうだ。なんだか色々合致しすぎてて怖くなってきた

僕はやっぱり、みんなと同じということが怖いんじゃない。みんなと違うということが時々怖いんだ。
そしてそれ以上に、僕はみんなと違うということが時々うれしくて仕方ないんだ。


そう、みんなと違うことが大好きで、ただ、それだけだったような気もする。
でも、自分は一番まともだと頑なに信じている。

台所で夕食を作るお母さんが精神安定剤を包丁の柄の部分でこまかく砕いて、僕のミソ汁に入れているのを見てしまったことがある。僕はまたカベに穴を一つあけた。お母さんは悲しい目をしていた。そして僕はそれから少しの間、お母さんの作った料理が食べれなくなった。


ここで「食べれなくなった」のら抜き言葉で勿体無い気持ちになるものの、
この行は14歳の心の波風の立つ様を目の前に広げて見せられているような気分になる。

理不尽なことに落胆して腹が立って現実に失望して、学校にクラスメイトに、親に失望して、
それでも救いのひとときはあって、ジュニアにとってはそれがおばあちゃんと兄だった。

前半では、ジュニアが14歳の頃どういう気持ちで学校へ行かなかったのかとか、
どんな出来事があったのかとか、そういった出来事に、本当に思わず、正直不覚にも、感情移入して涙を流してしまうところもあったけれども、
後半になるにつれて、それは温かい涙に変わる。
友達みたいに接してくれるおばあちゃんとのシーンはすごく素敵だし、
いきなり大阪に呼び出してよしもとへ連れて行き、一緒にやろうとか言っちゃう兄もものすごく素敵だ。

あっけらかんとした人間の、でもジュニアを愛している気持ちが伝わってきて、そういう人の温かさに、涙が毀れる。
15歳でいきなり、よしもとへ引っ張り出す兄のかっこよさ。
私は、この本で寧ろ千原せいじの好感度がすごく上がってしまった。
そして千原兄弟の絆の深さを見せ付けられ、もう、今までと同じようには、二人を見られなくなってしまった。
そこに、兄弟のドラマティックな輝きを見出して、温かい気持ちを与えられるようになってしまった。

結局、成功した人間だからひきこもりがドラマティックな要素になる。
同じような気持ちで、同じように14歳を過ごした私は、ちょっとばかし悔しいけれども、いい兄弟を見させてもらったなぁと、温かい気持ちで本を閉じることが出来ました。
すぐに手を上げるのがいやなんだけど、私が男だったらこうなってたかもと思うので、何も批判できないや。

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